零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
嵐の静止も聞かずに桃季はベット横の手すりを掴んで泣きながらまた私を見下ろす。

「おっ、お腹空いてないか……!?、空いてるよな!?あっ……ぁ、そうだ!!ぷっ、プリン!!プリン食べるか!?おい嵐!!!そこの売店でプリン買って来い……っっ!!!」

「……」

まだ頭がフワフワしてて、ぼー、としている私を見て桃季がまた何か思い付いたような顔をした。

「あ!おっ、オムライスの方がいいか!?そうだよな…っ、俺が作ってやるからな!?嵐!ここの食堂に話通しとけ!!」

「ちょっと…、桃季さん……っ、ほんとにうるさいですよ……っ、シーーー!!!!」

「ところでこれっ……っ、抱きしめたりしていいのか!?医者が来るまであんまベタベタ触んねぇ方がいいのか!?おい嵐……!!!どっちだ!?」

「もうっ、知らないですよーー!!!」

「そうだ!!!そっ、そこの!!!自販機のオレンジジュース!!!芹奈が好きなやつあったけど飲むか!?喉乾いたろ!?おい嵐!!オレンジジュース100本買って来い!!!」

「桃季さん…、隣の病室のばあさんがうるさい、って……」
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