零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
***

数分後、私の担当医であろう白い髭を生やしたお医者さんが私を診てくれた。

「どうなんだ!?芹奈の容態は!?」

「桃季さん、落ち着いて下さいよ」

目覚めてからというものの、桃季の熱気がとにかくすごい。

嵐は半分呆れ気味だ。

「そうだね、しばらくこのまま安静にしてもらって……、……」

それにしても……驚きだ。

撃たれてから、私は1ヶ月程
眠りっぱなしだったらしい。

なんか…自分の話じゃないみたい……。

そんな重症だった…?

「はぁああああああ……、っ、良くなるんだな!?これから!!」

「そうだね、まぁ、しばらくは安静にしてもら……」

「ちなみに抱きしめたりしてもいいのか!?」

それにしても真横で桃季がまだうるさい……。

「それは構わないけど、…ところで君、もう少し声のボリュームを……」

ーーギュッ……

されるがまま。

まだ体を起こす事が出来ず仰向けでいる私は覆われるように桃季に抱きしめられた。

「……ごめんな…ぁ、芹奈っ、ごめん……っ、俺のせいで……っ、こんな危ない目に合わせて……っ、怖い思いっ…いっぱいしたよなっ…、ごめっ……ごめんな…っ、よく頑張ったな…っ」

「そっ、そんな……泣かなくても…」
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