零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
目が覚めてから桃季はずっと泣きっぱなしで、さすがの私もドン引きだ。

肩に涙の雫がポタポタ落ちる。

そして、抱きしめられていた手が離れ、解放されたかと思ったら今度は両頬に手が添えられた。

「おい医者!!ちなみにキスとかしてもいいのか!?」

「ちょ…っと桃季、何唐突に……っ」

「それは構わないけど、…ところで君、もう少し声のボリュームを……」

「んっ……」

されるがまま。

戸惑う私の唇に優しく桃季の唇が触れて、そっと離れた。

「わぉ……っ」

隣で嵐が赤面しているが桃季はすっかりお構い無しだ。

「……っ、せりなぁ…っ、、ほんとにっ……よかっ……っ、」

まだ泣いてる……。

「もうだいじょ……ぶだよ……」

ゆっくりと支えられながら体を起こすと
再び包み込まれるように桃季の全身でまた力いっぱい抱きしめられる。

「せりな……ぁっ」

ーーギューーーーーーーーーーー…!!

「うっ……」

思わず声が漏れてしまう程だ。

力つっよ……!
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