零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
抱きしめられている最中。

ベッドのそばで立ち尽くしている嵐と目が合い、助けを求めるが無駄だった。

「すみません……っ、僕も…っ、あのっ…感動して……っ、今1歩も動けません…っ、」

そう言って地面に座り込んでしまった嵐。

ワーワー、と泣き始めてしまった。

そこで病室のドアが勢いよく開く。

ーーガラーーーーーー​ーーッ!!!!!

「芹奈っち!!目、覚ましたの!?」

「あ……ジュエ…霧矢くん……」

霧矢くんだ。

よっぽど慌てて来たのか男装のままだった。

唖然として、病室内を見回している。

そして一言。

「え、どういう状況よ、これ……。」

ごもっともだった。


***

桃季が安心したのか?泣き疲れたのか?

病室のソファで眠っている時。

私は霧矢くんと喋っていた。

「ごめんね…。ジュエ…霧矢くん……。あの日ハンバーグ作ってくれる、って言ってたのに……」

「そんなのいいって!
またいつでも作ってあげるから……っ!!」
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