零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
正直、海里さんの家は知らなくて、
この辺、って情報しかなかったら
【藤影】の表札を頼りに探していたのだが…

あまりにデカくて驚いている。

大きな庭を抜けて玄関まで辿り着く。

カギは開いていた。

不用心だなぁ、とは思ったが、
手ぶらで出てきたくらいだ。

この子にカギをかう余裕なんて
なかったのかもしれない。

中、ひっろ…
え、と寝室…寝室どこだ…?

めちゃくちゃ広いリビングを抜けると
クマのぬいぐるみやらなんやらが置いてある
明らかに女の子の部屋を発見したので
その部屋のベッドに芹奈ちゃんを下ろした。

起こさないように細心の注意を払いながら
とにかく慎重に、だ。

しかし。

なんとか掛け布団までかけて、
立ち上がろうとした次の瞬間、
後ろから手が腰に回されて、
ギュッ、とされる感覚があった。

やべ…起こしちゃったか…。

と思うが目はつぶったままだ。

「…っ、」

さらにギューっと、
芹奈ちゃんが手に力を込める。

結構強い力で無理矢理剥がすのも
なんだか可哀想でそのまま俺も
ベッドに入り、横になった。
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