零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
あー、と口を開けてスプーンが口まで運ばれるのを大人しく待ってくれている姿が超可愛い。

「ちゃんともぐもぐして、食べような?」

「…そっちのゼリー食べたい、です」

「これ食べれたら食べような?」

芹奈の目が覚めて1週間。

今はお昼ご飯を食べさせてやっていた。

「りんご食べるか?」

「……はい」

「じゃあ切るな?あ、うさぎさん作ってやるな!」

芹奈、うさぎさん好きだからな。

嵐が持ってきたりんごに包丁をいれる。

すると芹奈が俺の服を引っ張った。

「……あの」

「ん?どうした?」

屈んで視線を合わせるとぺこり、と小さくお辞儀をされた。

「いつも食べさせてくれて……
ありがとうございます…」

「どういたしまして」

どうやらここ最近は…
芹奈が人見知りを発動しているようで
めちゃくちゃ他人行儀になってしまった……。

3ヶ月以上会っていなかったのが今になってじわじわ来たみたいだ。

一昨日までは普通だったのに……。

さっきなんか、買い物行く話したら……
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