零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
と思っていたのだが
退院したら案外すぐなった。


「桃季のばかーっ!」

久しぶりに帰ってきた家のソファでゴロゴロしながら言ってくれた。

さっき俺がコケそうになったからだ。

やべぇ……。もう…かわいい。可愛すぎる。

安心からか、また目がうるっとしてしまう。

「ももきーっ」

ゴロゴロをやめ、芹奈がてくてくと俺のとこに走ってきて両手を伸ばした。

「だっこ」

あぁ……かわいいなぁ。。

なんてかわいいんだよ。

「はいはい」

抱き上げてやると小さく声を上げた芹奈が
「ねねー」と言ってスリスリしてきた。

「ん?」

「なでなでしてっ!」

生意気度が多分前よりもちょっと下がった芹奈。

通常時これなら次風邪引いた時、一体どうなるんだろうな。

「はい。なでなで。」

「てへへ…。桃季大好きーっ」

ニコニコして、すっかりご機嫌だ。

「俺も。芹奈大好き」

泣き虫で、繊細で、臆病で、だけど…

人懐っこい。かと思ったらツンツンしだして。
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