零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
後ろからは相変わらず
すごい力で掴まれていて
ろくに寝返りも、うてなかった。

じっと同じベッドに寝転んで俺は考えた。

今。芹奈ちゃんにとっては
自分のベッドによく知らない男がいる、
という、とんでもない状況だ…。

今は混乱していてこの状況を把握出来ていないかもしれないが、

翌朝目が覚めた時に「変態!」などと、
罵倒されるのではないか、と
若干心配になった。

しかし
隣で安心した顔で眠る芹奈ちゃんを見ていたら、なんだかホッとしてきて。

その時はその時だ、と。
気が付いたら俺まで眠ってしまっていた。

***

翌朝。午前7時を回った所だった。

昨日の体制のまま俺の体にしがみついたままの芹奈ちゃんがウトウトとする目で
俺を見つめていた。

口をパクパクとさせて
何かを言おうとしているようだ。

「っ……」

途端に昨夜の心配が脳裏を過ぎる。

ーー「変態!」などの罵倒だ…。

「あ、起きた,か?」

実は俺は30分前くらいから
すでに起きてはいたが動けずにいた。

体がかなり密着している為、
動いたらそれは起こす事に繋がりかねないと
思ったのだ。
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