零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
内面的な所もそうだが、
外面的な所でも、芹奈には変化が見られた。

毎朝、早く起きてくると思ったら
ヘアアイロンで髪の毛クルクルにして
まつ毛ビュンビュンにして
ネイルなんかもやったりして
軽くオシャレに目覚め始めたようだ。

「芹奈ちゃん、今日も可愛いですね」
「ほんと、お人形さんみたいっすね」…

向こうの方で
他の零愛のメンバーが芹奈に絡んでいた。

最初の頃はそこまで褒められれば
機嫌がよくなっていたのだが……

「かわいいかわいい、うるさーい!」

今では、耳を塞いで逃げ回っている。

その様子に嵐が笑っている。

「なんですか?もう反抗期ですか」

「なぁ〜…。ちょっと前は可愛い、って
言われたら嬉しそうにニコニコしてたのにな」

ほんの1ヶ月前の事なのに、もう懐かしい。

まるで10年ぐらいの時を経たみたいだ。

「嵐!!」

そんな事を考えて物思いにふけっていると
芹奈が嵐の前にやって来た。

「なんですかー?」

数学のドリルを閉じて芹奈に微笑みかける嵐だったが…芹奈が人差し指をほっぺに当てて舌を出した。
< 41 / 242 >

この作品をシェア

pagetop