零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
「あっかんべー!」

「あーっ!芹奈ちゃん!
いよいよ僕怒りますよ!」

「嵐が怒っても怖くないしー!」

「もーっ!」

宿題そっちのけで嵐は芹奈とかけっこを始めたようだ。

「まったく、何やってんだあいつらは」

でも…
元気になって良かった。

まぁ今は…例によって
誰にでも生意気になってしまったのだが…。

「嵐のばかーっ!」
「あー!芹奈ちゃん!」…

楽しそうでなによりだが、
それにしても遊び方が幼稚園児だ。

「あ、そうだ!今日すぐそこで
夏祭りがあるって知ってます!?
せっかくですしみんなで行きましょうよ!」

かけっこ中の嵐が思い出したように言った。

「夏祭り?あ、そういや、
そんな張り紙があちこちに…」


***

「うわー、混んでんな」
「僕、金魚すくいやりたいっす!」

こういうとこ来ると嵐って
年下なんだなぁ、って思うな…。

結局。
芹奈が行きたい!と食い気味で迫って来た為、俺と芹奈と嵐は3人で地元の夏祭りに来ていた。
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