零愛ー俺が必ずこの子を守るー
「嵐ーっ、見て浴衣!可愛いー?」
そこかしこに飾られた提灯に照らされた芹奈が嬉しそうに手を広げた。
押し入れから引っ張り出してきた咲き誇る花が散りばめられた水色の浴衣を着た芹奈。
今日1番の笑顔でお団子頭を揺らしていた。
「はい、かわいいですね」
「でしょー!」
かわいい、と言ってもらえて満足したのか
ふんわりと広がった袖口をパタパタとさせて
屋台が並んでいる所まで走っていった。
「あっ、走ったら危ないですよー!」
興味津々の眼差しで屋台を見つめる芹奈。
人が多いから注意深く眺めていると
嵐が小声で話しかけて来た。
「あれ、桃季さんが着せたんですか?」
「あぁ。動画見ながらだけどな」
「すごいですね」
夏祭りに行くと決まったら
浴衣、着せて着せてうるさかったんだからな。
お団子も同様に俺がやってあげたものだった。
「桃季ー!嵐ー!きんぎょー!」
すっかり機嫌良くなっちゃって…。
こちらに向かって手招きする芹奈の後ろ姿に思わず口角が上がってしまう。
腰の辺りで結ばれたピンク帯が
華奢な芹奈の体をさらにキュッ、と引き締めていて、あれを先程自分が着せたんだと思うと、
…………なんだか不思議な気持ちだ。
そこかしこに飾られた提灯に照らされた芹奈が嬉しそうに手を広げた。
押し入れから引っ張り出してきた咲き誇る花が散りばめられた水色の浴衣を着た芹奈。
今日1番の笑顔でお団子頭を揺らしていた。
「はい、かわいいですね」
「でしょー!」
かわいい、と言ってもらえて満足したのか
ふんわりと広がった袖口をパタパタとさせて
屋台が並んでいる所まで走っていった。
「あっ、走ったら危ないですよー!」
興味津々の眼差しで屋台を見つめる芹奈。
人が多いから注意深く眺めていると
嵐が小声で話しかけて来た。
「あれ、桃季さんが着せたんですか?」
「あぁ。動画見ながらだけどな」
「すごいですね」
夏祭りに行くと決まったら
浴衣、着せて着せてうるさかったんだからな。
お団子も同様に俺がやってあげたものだった。
「桃季ー!嵐ー!きんぎょー!」
すっかり機嫌良くなっちゃって…。
こちらに向かって手招きする芹奈の後ろ姿に思わず口角が上がってしまう。
腰の辺りで結ばれたピンク帯が
華奢な芹奈の体をさらにキュッ、と引き締めていて、あれを先程自分が着せたんだと思うと、
…………なんだか不思議な気持ちだ。