零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
***

「はっ、はぁ!?この私が!?
お化けなんて恐がる訳ないでしょ!?」

「じゃあ入りましょうよー!1人ずつ!順番に!」

嵐がお化け屋敷に入りたがったので
ジャンケンをして嵐、芹奈、俺の順で
1人ずつ入る事になった。

「じゃあ先行きますねー!」

スタスタとお化け屋敷に吸い込まれていく嵐を見送り……

次は芹奈が入る番なのだが…

なかなか入ろうとしない。

「芹奈、怖いんだろ…」

どことなく引きつっている顔はもう全てを物語っていた。

本当は怖い癖に
嵐に舐められたくない一心だったのだろう。

怖くない!などと意地を張ってしまった結果がこれだ。

まったく…。

「はぁ!?怖くないけど!?」

「手。震えてるぞ」

「はぁ!?震えてないし!?」

「ほら、次の人入ってください、って。
係の人が言っ…」

「言われなくても今から入るし!」

「……」

とか言いつつ、
ぜんっぜん入らないじゃねぇか…。

「2人で入るか?」

渋々そんな提案をしてみるが、

「もう……っ、‪ほっといて‪!」

突っぱねられるだけだった。
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