零愛ー俺が必ずこの子を守るー
***
帰り道。
嵐とは家の方向が全然違うので別れ、
芹奈と2人で夜道を歩いていた。
「……」
芹奈の草履とアスファルトが擦れる音だけがコツコツと響く。
なんか…静かだな。疲れたのか…?
いつもならベラベラなんか喋ってるのに…。
そう思った矢先。
視線を下げると芹奈が若干
足を引きずっているのが見えた。
あいつ……。
「足。痛いんじゃねぇの?」
「いっ、痛いなんて
一言も言ってないでしょ!?」
「ちょっと見せてみろ」
「え!?あっ、ちょっと…」
強引に立ち止まらせて草履を脱がす。
「あ、ほら。
めちゃくちゃ擦れてんじゃねぇーか」
どちらの足もかかとが擦れていて血が滲んでいた。草履なんて履きなれていないだろうからもっと早く気付くべきだった……。
「ほら。乗れ」
草履を取り上げて芹奈に背中を向けた。
「嫌よ」
「いいから、乗れって」
「いい」
「乗れって」
「いいってば」
「ほら」
「だからいいってば」
「いいから。な?」
帰り道。
嵐とは家の方向が全然違うので別れ、
芹奈と2人で夜道を歩いていた。
「……」
芹奈の草履とアスファルトが擦れる音だけがコツコツと響く。
なんか…静かだな。疲れたのか…?
いつもならベラベラなんか喋ってるのに…。
そう思った矢先。
視線を下げると芹奈が若干
足を引きずっているのが見えた。
あいつ……。
「足。痛いんじゃねぇの?」
「いっ、痛いなんて
一言も言ってないでしょ!?」
「ちょっと見せてみろ」
「え!?あっ、ちょっと…」
強引に立ち止まらせて草履を脱がす。
「あ、ほら。
めちゃくちゃ擦れてんじゃねぇーか」
どちらの足もかかとが擦れていて血が滲んでいた。草履なんて履きなれていないだろうからもっと早く気付くべきだった……。
「ほら。乗れ」
草履を取り上げて芹奈に背中を向けた。
「嫌よ」
「いいから、乗れって」
「いい」
「乗れって」
「いいってば」
「ほら」
「だからいいってば」
「いいから。な?」