零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
「どうした?」

(今!獄狂乱が攻めてきてて!)

「え!?」

詳しい事は向こうに言ってから聞く事になり、
急遽、倉庫に行く事になった。

火を止めて大慌てで出る準備を急ぐ。

嵐があんなに慌てる事は珍しい。

だからこそ余計不安を煽られた。

しかも相手は獄狂乱だ。

油断は出来ない。銃を隠し持つ犯罪まがいな族だ。何があってもおかしくない。

「芹奈!俺ちょっと倉庫行ってくるな!?」

ソファでウトウト中の芹奈に一声かけると
んん…と軽く唸りはしたが陽気な声が返ってきた。

「おけぴーっ」

どこで覚えたんだか。そんなJK用語は。

「いい子にしてるんだぞ!?
チャイム鳴っても
玄関開けちゃダメだからな!?
勝手に家から出ちゃダメだぞ!?
あぁ、それと……っ」

「あー!もうー!分かってるってばー!
なんか桃季、お兄ちゃんみたいー!」

どんどん注意事項が湧き出る中
芹奈がゴロン、と寝返りを打って叫んだ。

お節介、とはまさにこういうのを言うのだろうが、今俺が述べた事を芹奈が全部守れるか
甚だ不安だ。

なんて言ったって………………、芹奈だ。

「ほんとに分かってるのか?」

「分かってるー!」

それ以降も何度か注意事項を言っていこうと思ったが嵐の方も心配だ。

とりあえず、すぐ戻るから。とだけ伝えて
家を出た。
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