零愛ー俺が必ずこの子を守るー
#4 転校生
【芹奈side】
「まったく……、なんで最終日までとっとくかなぁー」
今日は夏休み最終日。
明日から学校なんだけど……
「しょうがないじゃん」
「しょうがなくない。ほら、早くここの問題」
夏休みの宿題を全くやっていなかった私は
朝からひたすら宿題に向き合っていた。
「はぁー、せっかくテレビ見ようと思ったのに」
「この量、もっと危機感持てよ!明日だぞ!?」
「分かってるよーもうー!」
国語…数学…理科…社会……
「あーーもう!疲れたーーー桃季やってよ」
「まだやり始めて5分しかたってねぇぞ!?」
「てかさ、桃季はやらないの?っていうか桃季って……、どこの高校通ってるの?」
それは今の今まで気にもしていなかった疑問だった。
夏休みに入る時に一緒に暮らし始めた桃季。
もう1ヶ月ぐらい一緒にいるけど桃季の事を私はあまり知らないでいた。
でも桃季だって高校生だし夏休みの宿題くらいあるはず…。なのにやってるとこ1回も見た事がない。
さっきからずぅっと私に付きっきりだけど自分はいいのかな。なんて思ってたら……
「聖鳳凰男子校」
ため息混じりに返ってきた言葉に私は目を見開いた。