零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
すると、張っていた糸がプツリ、と切れるようにいつもの笑みを浮かべた。

「いねぇよ、ほら、そんな事はいいから早くここの問題をやれ」

「……」

何かを隠されているようなそんな気がしてならなかったけど、ここは深堀せず、渋々宿題に向き合った。

宿題はなんとか無事終わり…
というか最終的に私寝ちゃって…
夜のうちに桃季が代わりに
やっておいてくれたみたい。

でも…頑張った方なんだよね!

私にしては!だって数学2ページもやったし!

まぁ…

提出ページは50ページ分なんだけど…。

***

翌日、7時10分。

私は、学校へ行く支度をしていた。
夏休み明けの学校は嫌だ、って言うけど
私からしたらいつだって学校という場所は嫌。

……嫌、なんて事はお兄ちゃんには今までちゃんと隠してきた。

だから今日も桃季に勘づかれないように
出来るだけ普通を装って支度をしていた。

「行きたくない」なんて行ったら
なんかあったと思われる。

友達関係上手くいってない、って思われちゃう。それが嫌だった。

まぁ、いってないんだけど…。

制服のボタンを1個ずつ憂鬱な気分を払うように閉めて全身鏡でパッ、パッと、
胸元についた小さなホコリを払う。
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