零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
ちょうど私達が立っていた場所は
漫画研究部の部室の前だったようで、
すごく通行の邪魔をしていた。

そうだ!霧矢くん確か漫画研究部!

なんか桃季がいるから家、って感じしちゃってたけど、ここ…学校……っ。

途端に我に返って、桃季から離れる。

1歩後ろに下がって部室への道を大慌てで空けた。

その時、ふとHRでの事が過ぎり
部室に入ろうとする霧矢くんを引き止めるみたいに声を掛けた。

「あっ、あの……っ」

今朝のHRで決まった事……
本当にあれで大丈夫なのか確認したかった。

だって席もバスも……
霧矢くんは桃季のめちゃくちゃな
お願いを文句も言わず…聞いてくれてた。

けど
今朝は流れに身を任せて
了承してくれただけで、
もしかしたら嫌がってるかもしれない。

そう思ったらモヤモヤして
つい声を掛けてしまった。

すると、霧矢くんは丸メガネをギラリ、と光らせ、「はい…?」と軽く首を傾げた。

先月から席は隣だったけど
いつも教室で漫画読んでて
話すのは今が初めてだったからなんか緊張する。

「霧矢くん…その…ごめんね、席…とか、バス…、、ほんとにいいの?」
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