零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
男の子1人で女の子のバスに乗る、なんて、
たとえ休み時間1人でいるタイプの霧矢くんでも嫌だ、と思っているかもしれない。

嫌だ、と言われたらそれはもう私が野村さん達と仲良くしなければいけない、って事を意味してるんだけど…。

グルグルと考える私に霧矢くんがボソッと言った。

「いや、全然いいよ…。俺、っていうか、、​
──────​───……あたし、女だから」

「あぁ、そっ、か」

「・ ・ ・」

「……………………………………ん?」

「・ ・ ・」

「おんな?」

あれ……
なんか私今とんでもない発言された……?

キョトン、として霧矢くんを見つめると、今までずっと目を覆っていた前髪をワイルドにかき分けた。

露になった目は大きくて、まつ毛もくりん、としていて可愛らしい印象だった。

そんな可愛らしい目が
くりっ、と私を見つめる。

「うん、女ーっ、てかさーぁ、あたし男とかマジ嫌いだからむしろ助かったー、って感じー!移動時間あんな男子ばっかのバス、マジきっしょ、って感じだったしー?全然いいよーん!てへっ」

「え?」

ど……どど、どゆこと、?
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