零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
「え、嵐、髪染めたの?」

それに、なんか制服めちゃくちゃしっかり着てる…。

桃季はネクタイを緩めてかなり着崩して制服着てるけど、嵐はピタッ、と着ていて
それがなんかおもしろくて、つい吹き出してしまった。

しかもずっと金髪だった髪が黒髪になっていた。

「なんか学級委員みたーい」

優等生らしさが滲み出る嵐に
いつもみたいに小馬鹿にしてみると
「え?学級委員ですよ?」と返ってきた。

「・ ・ ・」

やがて

「え?」と言ったら
「え?」と返ってきた。

「冗談?」

半笑いで尋ねるけど嵐は至って真面目な顔だ。

「本当ですよ?」

横から桃季も
「ほんとだぞ?」と付け足してきた。

「嵐は真面目だからなー」

「ちょっ、桃季さんたら
またそんな嬉しいことを」

え。真面目……なのに、暴走族やってるの?

​─────なぜ?​─────

ふわふわとした疑問で
頭が一気に埋め尽くされていくー……。

「ああ、やだ、なんか今日情報量多い!」

耳をわー、と抑えながら近くの椅子に腰掛ける。と、その時だった。
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