零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
「ひどい呼び方ですね…」

「あぁ、ひどい呼び方だ。
ジュエル…お前、なんだよ、いきなり」

ため息混じりの桃季にビシッと
指をさしたジュエルちゃんは声を張り上げた。

「お前!あたしの男装バラすなよ!」

「・ ・ ・」

なんだ、そんなことをお前は言いに来たのか。
と、とでも言わん表情を浮かべる桃季は大きなため息を吐き出した。

「お前さ、クラスの女の子がいじめられてたら助けてやれよ、そんな冷たい奴だったんだな」

クラスの女の子……。恐らく…私の事?

ジュエルちゃんは桃季の発言に
「はぁ?」と野太い声を発し、怒鳴った。

「知ってたら助けたわよ!知らなかったの!今日のバス決めでハブられてるの知ったの!てか!女って生き物は怖いんだから!外野がヘタに首突っ込んでいい問題じゃない!!てかあんな風にしたら反感買うかもだろ!?ちゃんと芹奈っちの事考えろよ!」

「せっ、せりなっち……?」

「反感だと!?もう買ってるようなもんなんだからいいだろ別に!」

「はぁー!?ほんっと、
男ってなんでそうテキトーな訳!?」

「だったらジュエルだって男嫌いなのによくそんな格好出来るな!?共学なんか行ったな!?」

「はぁー!?私だって別に行きたくなかったわよ!女子校志望だった!でも海里っちにはお世話になってたから!」……
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