零愛ー俺が必ずこの子を守る​ー
最初こそまるで子供の教育について討論しているかのような2人だったがだんだんただの悪口大会が始まってしまった。

なんとなく……話の流れから察すると
ジュエルちゃんはどうやらお兄ちゃんに恩があるらしかった。

そして妹……つまり私の学校生活が心配だから、同じ高校に入学して欲しい、と
お兄ちゃんがジュエルちゃんにお願いしたらしい…。

複雑に絡み合ってる…。

しばらくすると桃季とジュエルちゃんの激しい
悪口大会も止み…

「もういいや。てかアイスないー?あっつー」と言って倉庫内を散策しだしたジュエルちゃん。

「あっ、あるじゃーん」

そして倉庫の隅の方に置いてあった冷凍庫から
アイスを手に取って私にもくれた。

「はいっ、あげるーっ」

「あ、りがと……」

ずっと男の子だと思っていた霧矢星太郎くんが
まさかの女の子で、しかも伝説の…
レディース総長?だった?とは……

まだ驚きが隠せなかった。

嵐は未だ唖然としていたが、
桃季は深いため息を吐き出していた。

「え、なんで男の子の格好…してたの……?」

アイスにかじりつくジュエルちゃんに
尋ねると、先程までの怒りに満ちた剣幕ではなく普通に教えてくれた。
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