別れを決めたので、最後に愛をください~60日間のかりそめ婚で御曹司の独占欲が溢れ出す~
「園田がいつもぼんやりしてるからじゃないか? それより、あの人日比野楽器の社長とご令嬢の加奈さんだろ」
「……よく知ってるね」
「そりゃ、日比野楽器はうちの大事なお得意先だからな。日比野加奈さんがヨーロッパで活躍するフルート奏者だってことくらいは把握してる」
得意気だった尾形は急に声を落とした。
「それに、なんでもうちの副社長と加奈さんに縁談が持ち上がっているらしい」
「――え」
「たしか見合いするとかしたとか。まあ、こうやって親子でオフィスまで来るなら見合いした後で、本格的に結婚に向けて進んでるってとこかな」
“縁談”“見合い”“結婚” 衝撃的な言葉に反応できずにいると桜衣が眉間に皺を寄せて言った。
「尾形君、無責任な噂話はよくないわよ。日比野楽器さんは移転後のオフィス環境構築をうちに依頼してくれているじゃない。今日は新オフィスの参考に見学にいらしゃると聞いてたわよ」
最新設備や働き方を採用しているINOSEのオフィスはかなりの頻度でお客様のオフィス見学を受け入れているので不思議ではない。
「……よく知ってるね」
「そりゃ、日比野楽器はうちの大事なお得意先だからな。日比野加奈さんがヨーロッパで活躍するフルート奏者だってことくらいは把握してる」
得意気だった尾形は急に声を落とした。
「それに、なんでもうちの副社長と加奈さんに縁談が持ち上がっているらしい」
「――え」
「たしか見合いするとかしたとか。まあ、こうやって親子でオフィスまで来るなら見合いした後で、本格的に結婚に向けて進んでるってとこかな」
“縁談”“見合い”“結婚” 衝撃的な言葉に反応できずにいると桜衣が眉間に皺を寄せて言った。
「尾形君、無責任な噂話はよくないわよ。日比野楽器さんは移転後のオフィス環境構築をうちに依頼してくれているじゃない。今日は新オフィスの参考に見学にいらしゃると聞いてたわよ」
最新設備や働き方を採用しているINOSEのオフィスはかなりの頻度でお客様のオフィス見学を受け入れているので不思議ではない。