別れを決めたので、最後に愛をください~60日間のかりそめ婚で御曹司の独占欲が溢れ出す~
今年の未来の誕生日の前日、美津子は和輝の見合いは”調整中”と言っていた。
あれは加奈の帰国を知った美津子が再び日比野家へ縁談を持ちかける準備をしているという意味だろうか。
何より、和輝と加奈のお互いを慕う気持ちが変わっていなかったら。
未来の頭の中でいろいろな可能性が一つの結論に繋がっていく。
美しい大人の男女、並び立つふたりは尾形の言うように間違いなく“お似合い”だった。
見ていられなくなり、未来は彼らから目を逸らしうつむく。
「おい園田、どうかしたか?」
黙り込んでしまった未来をおかしいと思ったのか、尾形が顔を覗き込んでくる。
「未来ちゃん顔色悪いわよ、大丈夫?」
桜衣も心配そうにこちらを見る。
(だめ、ここで動揺して和くんとのことを知られたら大変なことになる)
「あ、うん、大丈夫です。ちょっとぼんやりしてました」
笑顔を顔に貼り付け、何とか平静を保とうと出した声は思ったより弱弱しくなってしまった。
「体調悪いなら無理すんなよ――あ、こっちにくる」
尾形の声に再び視線を和輝たちに向けると、和輝たちが未来たちのいる執務エリアに入ってくるところだった。
加奈は目ざとく未来を見つけてこちらにやってくる。
あれは加奈の帰国を知った美津子が再び日比野家へ縁談を持ちかける準備をしているという意味だろうか。
何より、和輝と加奈のお互いを慕う気持ちが変わっていなかったら。
未来の頭の中でいろいろな可能性が一つの結論に繋がっていく。
美しい大人の男女、並び立つふたりは尾形の言うように間違いなく“お似合い”だった。
見ていられなくなり、未来は彼らから目を逸らしうつむく。
「おい園田、どうかしたか?」
黙り込んでしまった未来をおかしいと思ったのか、尾形が顔を覗き込んでくる。
「未来ちゃん顔色悪いわよ、大丈夫?」
桜衣も心配そうにこちらを見る。
(だめ、ここで動揺して和くんとのことを知られたら大変なことになる)
「あ、うん、大丈夫です。ちょっとぼんやりしてました」
笑顔を顔に貼り付け、何とか平静を保とうと出した声は思ったより弱弱しくなってしまった。
「体調悪いなら無理すんなよ――あ、こっちにくる」
尾形の声に再び視線を和輝たちに向けると、和輝たちが未来たちのいる執務エリアに入ってくるところだった。
加奈は目ざとく未来を見つけてこちらにやってくる。