別れを決めたので、最後に愛をください～60日間のかりそめ婚で御曹司の独占欲が溢れ出す～

　面と向かって言われると照れてしまうが、あの頃のことが雪成の今と将来に繋がっていると思うと未来は素直によかったと思えた。

「私の方こそユキちゃんにいつも助けられてるよ。今日だってそう。ユキちゃんの夢、絶対叶うよ。応援してる」

「ふふ、がんばるわ」

　未来の言葉に親友は飾り気のない笑顔で笑った。

　その後もしばらくふたりは雪成の将来の店について話し込んだ。

「へえ、一人の女性をトータルコーディネイトなんて素敵だね」

「そう。ヘアメイクはもちろん、パーソナルカラーとか骨格とかも取り入れたアドバイスが一度にできるお店を持てたらいいと思ってるの。まあ、その人がどうなりたいかっていうのが一番だけどね」

「なるほど。プロにじっくり向き合ってもらえたら迷える女子は助かるよ。前に私にもいろいろアドバイスくれたけど、はっきり言ってくれてわかりやすかった。ユキちゃんそういうの向いてると思う」

　スパルタ気味ではあったが、雪成のセンスは折り紙付きだ。