別れを決めたので、最後に愛をください~60日間のかりそめ婚で御曹司の独占欲が溢れ出す~
「未来に関しては私が一番良く知ってるからね。そうそう、結婚式では私が最高に綺麗な花嫁に仕上げて送り出してあげたいってのも夢の一つかしら。だからあんたには本当に好きな人と幸せになってほしいわけ」

「ありがとう。気持ちは嬉しいんだけど、しばらくは無理だなぁ」

 まずは和輝の想いを断ち切らなければいけない。そこからまた本当に好きな人を見つけることができるかどうか。

 力なく笑い肩を落とした未来に雪成は意味深に笑った。

「だから勝手なことしてごめんね」

「へ?」

 急にかみ合わなくなった会話に首をかしげていると、雪成は徐に体を捻り後方の窓の外に視線をやってニヤリと笑う。

「やっぱり来たわ。しかも予想より全然早いってことはきっと必死で駆けつけたのね。それにしても写真で見るよりイケメンすぎない? オーラもすごいし。長い脚で走ってくるから、ここに着くまであと30秒ってとこかしら」

「ユキちゃん?」

 雪成は身体を戻すと頬杖をついてこちらを見る。
< 194 / 230 >

この作品をシェア

pagetop