別れを決めたので、最後に愛をください~60日間のかりそめ婚で御曹司の独占欲が溢れ出す~
いつも冷静で感情が読めないといわれる大人の彼が、未来を逃がすまいとばかりに溺れるようなキスをして、時折切なげな吐息を零している。そう思うと、胸の奥がキュンキュンと締め付けられてしまう。
応えずにはいられなくなり、未来は和輝のワイシャツをギュッとつかんだ。
結局、彼の想いそのもののような優しく激しい口づけに未来はしばらく翻弄されたのだった。
***
ふたりが想いを通わせて3日後。土曜日の午後である。結婚の意思を報告するため、未来は和輝に連れられて猪瀬の屋敷を訪れていた。
和輝に心配することはないと言われてはいたが、やはり緊張する。
リビングで貴久と美津子に迎えられ、大きなソファーに和輝と並んで座る。
井部が紅茶を並べ終わったタイミングで和輝は口をひらいた。
「父さん、祖母さん。未来と結婚します」
(え、いきなり言う!?)
何の前置きも気負いもなくさらりと切り出されたので未来は慌てて背筋を伸ばす。
「おじさん、美津子さん。私じゃ和く……和輝さんの奥さんに相応しくないかもしれないけれど、猪瀬家の嫁として努力します。どうか結婚を認めてください」
未来は深々と頭を下げた。
応えずにはいられなくなり、未来は和輝のワイシャツをギュッとつかんだ。
結局、彼の想いそのもののような優しく激しい口づけに未来はしばらく翻弄されたのだった。
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ふたりが想いを通わせて3日後。土曜日の午後である。結婚の意思を報告するため、未来は和輝に連れられて猪瀬の屋敷を訪れていた。
和輝に心配することはないと言われてはいたが、やはり緊張する。
リビングで貴久と美津子に迎えられ、大きなソファーに和輝と並んで座る。
井部が紅茶を並べ終わったタイミングで和輝は口をひらいた。
「父さん、祖母さん。未来と結婚します」
(え、いきなり言う!?)
何の前置きも気負いもなくさらりと切り出されたので未来は慌てて背筋を伸ばす。
「おじさん、美津子さん。私じゃ和く……和輝さんの奥さんに相応しくないかもしれないけれど、猪瀬家の嫁として努力します。どうか結婚を認めてください」
未来は深々と頭を下げた。