別れを決めたので、最後に愛をください~60日間のかりそめ婚で御曹司の独占欲が溢れ出す~
「未来ちゃん、嫌な思いをさせて悪かった。日比野社長にはやんわりとクレームを入れておいたから。久々に帰ってきた娘可愛さでわがままに付き合っていたようだが、結局は経営者として冷静に判断して謝罪してくれたよ。加奈さんはプロジェクトから外した上、本社移転についてはこのままウチに発注してくれるそうだ」
貴久の言葉に未来はホッと胸をなでおろす。
日比野楽器が大事な得意先なのは未来もよく知っている。今回のことで両社の関係が悪くなったら辛いものがあった。
「良かった……」
言葉を漏らすと和輝が苦笑しながら未来の頭を撫でた。
「もう君は何も気にすることは無い。全部キューピットを騙った祖母さんの悪乗りから始まって、ただ踊らされたんだよ」
「あはは……でもその分、覚悟が決まった気がするからいいかもしれない」
確かに美津子に和輝が見合いをするという話を聞かなければ、未来は誕生日の夜、あそこまで自暴自棄にならなかったかもしれないし、和輝が自分の事をずっと想っていてくれていたなら、いつか普通に想いを通わせることも出来たのかもしれない。
貴久の言葉に未来はホッと胸をなでおろす。
日比野楽器が大事な得意先なのは未来もよく知っている。今回のことで両社の関係が悪くなったら辛いものがあった。
「良かった……」
言葉を漏らすと和輝が苦笑しながら未来の頭を撫でた。
「もう君は何も気にすることは無い。全部キューピットを騙った祖母さんの悪乗りから始まって、ただ踊らされたんだよ」
「あはは……でもその分、覚悟が決まった気がするからいいかもしれない」
確かに美津子に和輝が見合いをするという話を聞かなければ、未来は誕生日の夜、あそこまで自暴自棄にならなかったかもしれないし、和輝が自分の事をずっと想っていてくれていたなら、いつか普通に想いを通わせることも出来たのかもしれない。