別れを決めたので、最後に愛をください~60日間のかりそめ婚で御曹司の独占欲が溢れ出す~
自分が意識しすぎているのかもしれないと思いつつ並んで腰をおろした途端、眼下に広がる景色に目を奪われる。
「わぁ……綺麗」
宝石のような東京の夜景がふたりの為にあると錯覚してしまうくらい贅沢な眺めに、思わず声が漏れた。
(なにこれ、神様からのご褒美? 餞別?)
高級ホテルのバーのカップルシートで好きな人と並んで夜景を眺めるシチュエーションは、長きにわたる片思いから卒業する未来を憐れんだ恋愛の神様からのプレゼントかもしれない。
ありがたく記憶に焼き付けようと未来は心の中で何度もシャッターを切る。
未来はモスコミュール、和輝はウイスキーをロックで注文し、改めて乾杯する。
ジャズが控えめな音量で流れる中、隣に座る和輝との距離はかなり近い。
琥珀色の液体を慣れた様子で口に運ぶ和輝の横顔は完璧な大人の男性のもので、それも記憶に焼き付けたいが、なんせ近すぎて直視できない。
大人のためのバーで大人の色気をまとう男性を横にどう行動するのが正解かわからず、とりあえず目の前のカクテルをあおる。
(まずい、本当に今日はいつもより酔っちゃったかも……)
「わぁ……綺麗」
宝石のような東京の夜景がふたりの為にあると錯覚してしまうくらい贅沢な眺めに、思わず声が漏れた。
(なにこれ、神様からのご褒美? 餞別?)
高級ホテルのバーのカップルシートで好きな人と並んで夜景を眺めるシチュエーションは、長きにわたる片思いから卒業する未来を憐れんだ恋愛の神様からのプレゼントかもしれない。
ありがたく記憶に焼き付けようと未来は心の中で何度もシャッターを切る。
未来はモスコミュール、和輝はウイスキーをロックで注文し、改めて乾杯する。
ジャズが控えめな音量で流れる中、隣に座る和輝との距離はかなり近い。
琥珀色の液体を慣れた様子で口に運ぶ和輝の横顔は完璧な大人の男性のもので、それも記憶に焼き付けたいが、なんせ近すぎて直視できない。
大人のためのバーで大人の色気をまとう男性を横にどう行動するのが正解かわからず、とりあえず目の前のカクテルをあおる。
(まずい、本当に今日はいつもより酔っちゃったかも……)