Dear.Mother【母の日短編集】
オムライスを口に運ぶママを、ドキドキしながら見つめる。
「どう……!?」
「うまい!!天才!!」
「流石パパの娘!!」
褒めすぎでは??
自分でも食べてみて、普通に美味しかった。
ちょっとケチャップかけすぎだけど。
「ビールがすすむわ!」
「ママはいつでもビール飲むじゃん」
「今日の美味しさは格別よ」
またテキトーなこと言って……。
ママはものすごくお酒が好きだけど、お酒が強いわけではないので酔いが回りやすい。
既に顔を赤くしてへべれけになってる。
「あたしってほんと幸せ者よね〜。
優しい旦那とかわいい娘に恵まれて…お前みたいなガサツな女、嫁の貰い手なんていない!って父親に散々怒鳴られてたのにさぁ」
父親っていうのはおじいちゃんのことだ。
「うちの母も家事は女がするものって考えでさ〜。
もう反発して結婚なんてしない!って言ってたけど…人生わからないものよねぇ」
これはママ、だいぶ酔いどれモードだな。