Dear.Mother【母の日短編集】
「でも、けっこんしてうんでよかった〜〜」
「ママ、めっちゃ酔ってるね」
「嬉しくて仕方ないから、お酒が進んじゃったんだよ」
パパはニコニコしながら、終わった食器を片付ける。
こういう気が利くところが流石のパパ。
そうだ、パパにも聞いちゃおうっと。
「パパはなんでママと結婚したいと思ったの?」
「えっ!?それ聞くの!?」
「うん」
この際聞いてみたいよね。
「うーん、色々あるけど…簡単に言えばこの人と年取るのが想像できたからかなぁ」
「えっなんか深い!」
「上手く言えないんだけど、こんなに波長が合う人いるんだなぁって。
きっと何年でも一緒にいられるんだろうなって思ったんだ」
なんかそれ、すっごく素敵だな……!
一生連れ添うパートナーを見つけられた!って感じがする!!
「…娘にこんな話するの恥ずかしいなぁ」
「たまにはいいじゃん!」
「ぐーー…」
「――って、ママ寝ちゃったんですけど」
こんな食卓で寝落ちしないでよ〜。
あ、でもご飯は全部食べてくれてる。
私はユサユサとママを揺れ起こす。
「ママ、起きてよ〜。
パパが買ってくれたデザートあるのに」
「それは明日にしよう」
パパが爆睡するママを担ぎ、ソファに寝かせた。
私は毛布を持ってきてママにかける。
全くもう、ママってば。
でも、家族のために毎日頑張って働いてくれてるんだよね。
いつもありがとう。
お疲れ様。
私はパパとママの子に生まれてよかったよ。