Dear.Mother【母の日短編集】


「さくね〜だんすするよ!」

「そうなの〜楽しみにしてるわね」


写真も動画も撮りまくらねば。
この前買った最新の一眼レフも持っていくわよ。


「それからね、あっ」

「どうしたの?」

「なんでもない。ひみつなの!」

「え〜〜」


秘密なのに秘密って言っちゃう我が娘、かわいすぎない??


「ねぇねぇ、さくんちってへんなの?」


夫婦揃ってデレデレしていたら、急に話題が変わった。
これは子どもあるある。


「変って?」

「さくんちは、パパがごはんつくってママがかいしゃにいくってゆったら、タケシくんがへんなのっていったの」

「え……」

「ふつうは、パパがかいしゃいってママがごはんつくるんだって」


これは……まあ、他の家庭はそうよね。

幼稚園にも案外ワーママがいるけど、大抵は母親がごはんを作るものだ。

さて、何と答えるべきか。


「全然変じゃないよ」


先に口を開いたのは巧くんだった。


「パパはごはん作るのが好きで、ママはお仕事が好きなんだよ」

「そうなの?」

「うん。だからパパとママが好きで、得意なものを頑張ってるんだ。他のお家とは違うけど、変なことじゃないよ」

「そっか〜」


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