愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました
今はそれでいい。

これから、男爵令嬢と王子様との美しい恋物語が始まるのだから。

コンコンと執事長が私の部屋のドアをノックした。

「はい」

「セレア様、殿下がお越しです」

「体調不良と断っておいて」

「・・・・よろしいのですか?」

「ええ」

執事長は幼い頃からこの屋敷に勤めていて、私を実の娘のように可愛がってくれている。
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