愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました
「行こう、セレア」

アレンが私の肩を抱き、バルコニーを出ようとする。


「セレア!」


殿下の声がバルコニーの外まで聞こえた気がした。


私を別の部屋に連れて行ったアレンに私は何とか涙を止めて問い詰めた。

「何で、ノア様にあんなことを言ったの・・・!」

「セレアが泣くからだろ」

「どういう意味よ!」

「俺はセレアに笑っていて欲しいだけだ」
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