愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました
「なぁセレア。俺はセレアのことが好きだ。殿下がセレアのこと泣かすなら俺も譲れない」
「冗談よね・・・?」
「冗談だと思う?」
そう言ったアレンの顔があまりに真剣で、私は何も言えなくなった。
「セレア、お前はただ笑っていればいい」
アレンはそう言って、私から離れると部屋を出て行った。
「何が起きているの・・・」
その後、どうやって屋敷に帰ったか私はよく思い出せなかった。