愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました
「俺はどうもセレアの笑顔が好きらしい。好きな女が泣きそうなのに、そのままでいられない。なぁセレア、もう一度殿下と話合えよ」

そう言って、アレンが私の頭をくしゃくしゃと撫でた。


「それでも、駄目だったら俺も遠慮しない。セレア、どうか幸せになってくれ」


アレンが殿下のいるテラスの方へ、私の背中を押した。


「もう殿下に泣かされるんじゃないぞ」


アレンの優しさに触れて、もう一度頑張ろうと思えた。

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