愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました
私はノア様の幸せを願っております
「愛されることを望んでいない?何を言っている。俺たちは婚約をしているんだぞ」
「それがどうされましたの?愛のない結婚など貴族の中ではよくあることで御座いましょう?」
確かに愛のない貴族同士の縁を繋ぐためだけの結婚は少なからず存在している。
しかし、幼い頃から婚約している私達はお互いの性格を良く分かっていた。
私がそのようなことを口に出すような令嬢ではないとノア様は知っているのだ。
そして、私もノア様のことをよく知っている。
ノア様が王族でありながら、愛のある結婚をしようとしていることを。