雪降る夜はあなたに会いたい 【下】
2 待ちに待った日 【side;創介】
この日が来るのを、
どれだけ待っていただろう――。
朝、目覚めたら、隣に雪野が寝ている。家に帰れば、その顔を見られる。
毎日、共に過ごすことができる……。
雪野と出会ってもう何年も経っているというのに、こうも焦がれてしまうのは、二人で過ごした年月の割に自由に会える時間が少なかったからかもしれない。
二人で暮らせるようになったこの日が、どれだけ特別なものか。
その事実を噛みしめる。
隣で眠る、瞼を閉じて慎ましく寝息を立てている雪野の顔をただじっと見つめる。やはり、その寝顔には色濃く疲れが滲んでいた。
結婚式の後、参列者への挨拶を終えて、ここに帰宅した時には深夜0時を回っていた。
大勢の人間の前で神経を張り詰め極度の緊張の中にいたであろう雪野が、疲れ切るのも無理はない。
頑張ったな……。
瞼にかかった前髪にそっと触れて梳く。
眠りこけているのを起こしては可哀想だと思いながらも、愛おしさが込みあげて来て触れずにはいられない。
だから、その輪郭に、黒い髪に、そっと慎重に触れた。
これからは毎日、こうしてすぐ近くで見ていられる。