雪降る夜はあなたに会いたい 【下】



「……すごいな。キスと胸だけで、こんなに溢れさせてたのか? だから、俺に知られたくなかった?」

指でそっとなぞっただけで、雪野が大きく背をのけぞらせた。

「恥ずかしい、から……っ」
「これはもう脱がせるぞ。ほら、腰を浮かせろ」

俺の言うなりに腰を浮かせて、ソファに膝を立てた。片足ずつ引き抜く時、雪野がまだ靴を履いたままだったということを思い出す。

「すごい恰好だな。スカートは履いたままで、下着は身に着けてない。おまけに、靴は履いてるときてる」
「だ、だって、創介さんが、靴、脱がせてくれないからっ」

膝立ちしていた雪野の背中に手を回し、ホックをはずした。それと同時に、待ちわびていたように二つの膨らみが弾んだ。

「いやらしくて、いい眺めだ」
「はずかしい、です」

咄嗟に両胸を隠そうとした雪野の腕を掴む。
腰を掴み、ソファに横たえる。雪野の脚を掴み、大きく広げるとスカートが腰のあたりまで捲れて、いつもの雪野からは考えられないほどに淫らな姿になった。

「こんな……っ、やぁ……」

陽の光が差し込む明るいリビングのソファの上で。雪野が羞恥で耐えられなくなるのも無理はない。

靴を取り、雪野の脚の間に手のひらを滑り込ませる。

「もう、焦らしたりしないから。安心して快感だけ感じてろ」
「あ……っ」

奥へ奥へと進むほどに溢れ出して蕩けてしまいそうだ。焦らしに焦らしたからか、雪野が身体をびくびくと何度も跳ねさせた。

以前は、セックスなんて自分の中の性欲を吐き出すだけのものだった。

でも、雪野にはそんな風に出来なかった。
自分のことより、雪野のことばかり気になって。

もっと感じさせたい。気持ちよくさせたい――。

そう思えば、抱いている最中の雪野の声、表情、仕草……それら全部を見逃さないように目に焼き付けていた。

どうすれば、どう反応するか。どんな反応が、気持ちいいと感じている時か。

それも分かるようになった。

「……やっ、もう」

しかめた表情は、もっと欲しくなったとき。

「足りなくなったか?」
「そ、すけ、さん……私、もう……」

呼吸が短くなって、ひくつかせて。その姿を見ているだけで興奮する。
溢れたそこに唇を当てた。

「待って、まっ――」

白い肌を赤く染めて、髪を振り乱して身を捩る。乱れたその姿に激しく欲情した。


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