雪降る夜はあなたに会いたい 【下】
雪野が一際大きな声を漏らし喉を逸らせた。
「や……もう、ダメ……っ」
「もっと、乱れろ。いくらでもおかしくなっていい」
みっともないほどに掠れた自分の声に、余裕の欠片もないことが分かる。
「そうすけ、さんっ、お願い――」
腰を掴んで雪野の中に埋める。すべてを飲み込んだ時、雪野が激しく喘いだ。
「入れただけで、イッたのか?」
「ご、ごめんなさ――」
びくびくと痙攣する雪野の身体。唇を塞ぎ、舌を重ねれば、雪野の中がきつく締まる。
耐えていた分、俺だってすぐにでもイキそうで。
「動くぞ」
「やっ、待って、まだ私――」
乱れた髪が頬に張りついて、妖艶な表情がまた俺を煽る。
もっと、乱れさせたい――。
突きまくりたいのを必死で抑え、最初はゆっくりと押し広げるように雪野の腰を落とした。
俺の形を感じさせるようにじっくりと動く。雪野の肌がじっとりと汗ばんで、赤く染まる。
「どこもかしこも、たまらなく可愛い」
雪野の漏らす声が、甘く切ないものに変わり、俺の肩を強く掴んだ。
「す、き……好き」
雪野の顔を見上げながら、腰を揺らした。
「もっと――」
「もっと、激しく、突いてほしいのか……?」
息も途切れ途切れになる。
「もっと、して……、奥までっ」
可愛い唇が、もっととねだる。
白い控えめの胸が、激しく揺れる。細い腰が、淫らに動く。
俺にだけ見せる淫靡な姿態に、もう抑えが効かない。
「雪野――」
愛おしすぎて壊してしまいそうで。
だから、必死に優しく抱くのだ。
雪野の苦痛に歪む顔は見たくない。
「愛してる……雪野――っ」
抱き締めても抱きしめても足りない。
どれだけ愛しても、満足できない。もっともっとと、欲しくなる。