雪降る夜はあなたに会いたい 【下】
お風呂を出て、ベッドで既に横たわっていた創介さんの隣にそろりと身体を入り込ませる。するとすぐに、創介さんの腕が私を捕らえた。
「――雪野」
ベッド脇のランプの灯りだけの部屋に、私の名前を呼ぶ声が揺れる。
「雪野……」
「創介、さ――」
私を見下ろす創介さんの目に熱が灯り、そのまま唇が落ちて来る。
骨ばった大きな手のひらが私の頬を包み込み、長いキスの後、創介さんが私の首筋に顔を埋めた。
「……創介さん、私――」
「ん? どうした?」
創介さんの唇が囁きながら首筋を滑る。
一緒に暮らし始めてからも、こうして求められるのは嬉しい。
でも、今日は私の中の何かが違う。どうしても切なくて。
「創介さん……っ」
私の鎖骨へと唇を寄せていた創介さんの肩を、思わず強く掴んでしまった。
「雪野……? 今日は疲れてるか? それなら――」
顔を上げ、優しく私を見つめる。
「ううん、違います。ただ……」
「ただ?」
言葉より感情が先走り、創介さんの首にしがみつく。そして、自分でも思いもしない言葉を発してしまっていた。
「創介さんは、どんな女の人がタイプなのかな……って! 好きな芸能人とか、そういうこと、これまで聞いたことなかったし、急に気になって。気になったら、自分の身体を見せるのが恥ずかしくなって――」
――?
なに、それ。