主従夫婦~僕の愛する花嫁様~
どこまで、紅葉様を傷つければ気が済むのだろう……俺は…

「申し訳ありません…」
雲英は、項垂れた。

謝罪の言葉しか出ない。
なんだか、泣きそうだ。

すると━━━━ふわりと甘くて大好きな香りが、雲英の鼻をくすぐった。

雲英は、紅葉に抱き締められていた。

「え………」

「甲斐、好き、大好き……!」

「紅葉様……/////」

「もう、謝らないで?
元はといえば、私が“いいよ”って言ったからだし」

「違います!
僕が、理性をコントロール出来なかったのが悪いんです!!
申し訳ありません!!」
雲英も抱き締め返し、謝罪する。

「………」
「………」

「………」
「………」

しばらく、抱き締め合う二人。

「……甲斐…」
「………はい」

「二人っきりの時は、いいんだよ?」

「え?」

「理性…コントロール出来なくても……」

「え?」

「でも……お仕事してる時はやめて?」

「………はい。
しかし、どちらにしてもコントロール出来るように気を引き締めます。
これじゃ……何のために、スーツ着てるのかわからなくなる」

「ん?スーツ?
スーツが何かあるの?」
目をパチパチして見る、紅葉。

「いえ…こちらの話です。
それより、可愛い…/////紅葉様」
頬に触れ、目元をなぞる。

「フフ…」
「紅葉様」

「ん?」
「理性…また、なくなりそうです……」

「え!?////
━━━━━ひゃっ!!?」
雲英は、紅葉を抱き上げた。
そして寝室へ向かった。


優しくベッドに下ろし、紅葉を組み敷いた。
「紅葉様…/////」

「か、甲斐…/////そ、その…/////
“する”の?」
雲英を見上げ、顔を赤くしながら言う。

「はい、抱かせてください」

「じゃあ…シャワー浴びたい。
退いて?」

「ダメですよ?
このままです」

「え?や、やだ////」

「ダーメ!
はい、もう、黙って?
抱き合って、幸せになりましょうね!」

雲英は、紅葉の口唇を塞いだ。


激しいのに、優しく慈しむように動く雲英の手や舌。

雲英に抱かれていると………
紅葉は、ふわふわしてわからなくなる。

ただ…幸せで、涙が止まらなくなる。

「紅葉様…/////」
「甲斐…////」

「幸せ?」
紅葉の顔を覗き込み、目元を拭う。

「うん…!幸せだよ、甲斐!」

「僕も、幸せです!」
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