主従夫婦~僕の愛する花嫁様~
雲英は、紅葉の身の回りのことを嬉しそうに行う。
洗面所に向かい、歯を磨く。
その時も、雲英は隣でタオルを持って待つ。
ウォークインクローゼットに向かい、着替える。
「紅葉様、お洋服です!」
丁寧に畳まれた、洋服一式。
それを渡してくる、雲英。
そう。
洋服をコーディネートするのも、雲英が行う。
ちなみに、今着ている雲英のスウェット。
これも昨晩、雲英が着るように手渡した服だ。
「ありがとう」
着替えて、化粧をしだす紅葉。
「紅葉様。髪の毛、結ってもいいですか?」
紅葉の後ろで控えていた雲英が、ドレッサーの鏡越しに声をかけてくる。
「うん」
と頷くと、やはり嬉しそうに紅葉の髪の毛に触れた。
手際よく、セットしていく。
「出来ました!」
「ありがとう!」
鏡越しに微笑み合う。
すると、そのまま雲英が後ろから抱き締めてきた。
「あぁ…本当に、貴女は綺麗だ/////
紅葉様の夫になれたこと、この上なく幸せです!」
そう言って、首にキスを落とした。
「ちょ…やだ……甲斐!そんなとこにキスしないで!」
「え?」
「今日は、首周りが少し広い服なのよ?
キスマークなんて見えたら……」
「大丈夫ですよ!
マークはついてませんから!
それに本当は頬や口唇にしたいんですが、メイクなさったばかりですし」
「そうだけど……
まぁ、ついてないならいいわ」
「あ、でも…」
「ん?何?」
「いえ!
紅葉様、もうそろそろ出ないと!」
「えぇ、そうね!」
部屋を出ていく、紅葉。
後ろから付いていきながら、雲英は思う。
(でも、反対の首にはキスマークついてるんだよな。
だから今日は、その服装にしたんだし。
伝えた方がいいよな?
…………でもまぁ、いいか!)
そう。
雲英は朝起きた時の紅葉を見て、キスマークを見つけたため、それを周りの人間に見せつけるためにその服を選んだのだ。
(ちゃんと、牽制しておかないと……!
職場は唯一、俺が傍にいれない空間だから…)
キッチンに用意していたランチバッグを、紅葉のバッグに入れる。
「紅葉様、お弁当です!
入れておきますね!」
「ありがとう!」
そして紅葉のバッグを持ち、反対の手で紅葉の手を引いて家を出た。
エレベーターに乗り込み、地下駐車場に向かう。
エレベーター内で紅葉は、背の高い雲英を見上げた。
(寂しいな。
離れたくないな)
と思ってしまう。
思わず、繋いだ手を握りしめた。
「………ん?紅葉様、どうしました?」
「ううん」
首を横に振り、視線を前に移す。
(寂しいなんて、言えない……
仕事に行くだけなのに、離れたくないなんて……
情けないな、私…)
「紅葉様」
不意に、雲英に呼ばれ顔を上げる。
「━━━━━んんっ!!?」
口唇が奪われるように、重なった。
洗面所に向かい、歯を磨く。
その時も、雲英は隣でタオルを持って待つ。
ウォークインクローゼットに向かい、着替える。
「紅葉様、お洋服です!」
丁寧に畳まれた、洋服一式。
それを渡してくる、雲英。
そう。
洋服をコーディネートするのも、雲英が行う。
ちなみに、今着ている雲英のスウェット。
これも昨晩、雲英が着るように手渡した服だ。
「ありがとう」
着替えて、化粧をしだす紅葉。
「紅葉様。髪の毛、結ってもいいですか?」
紅葉の後ろで控えていた雲英が、ドレッサーの鏡越しに声をかけてくる。
「うん」
と頷くと、やはり嬉しそうに紅葉の髪の毛に触れた。
手際よく、セットしていく。
「出来ました!」
「ありがとう!」
鏡越しに微笑み合う。
すると、そのまま雲英が後ろから抱き締めてきた。
「あぁ…本当に、貴女は綺麗だ/////
紅葉様の夫になれたこと、この上なく幸せです!」
そう言って、首にキスを落とした。
「ちょ…やだ……甲斐!そんなとこにキスしないで!」
「え?」
「今日は、首周りが少し広い服なのよ?
キスマークなんて見えたら……」
「大丈夫ですよ!
マークはついてませんから!
それに本当は頬や口唇にしたいんですが、メイクなさったばかりですし」
「そうだけど……
まぁ、ついてないならいいわ」
「あ、でも…」
「ん?何?」
「いえ!
紅葉様、もうそろそろ出ないと!」
「えぇ、そうね!」
部屋を出ていく、紅葉。
後ろから付いていきながら、雲英は思う。
(でも、反対の首にはキスマークついてるんだよな。
だから今日は、その服装にしたんだし。
伝えた方がいいよな?
…………でもまぁ、いいか!)
そう。
雲英は朝起きた時の紅葉を見て、キスマークを見つけたため、それを周りの人間に見せつけるためにその服を選んだのだ。
(ちゃんと、牽制しておかないと……!
職場は唯一、俺が傍にいれない空間だから…)
キッチンに用意していたランチバッグを、紅葉のバッグに入れる。
「紅葉様、お弁当です!
入れておきますね!」
「ありがとう!」
そして紅葉のバッグを持ち、反対の手で紅葉の手を引いて家を出た。
エレベーターに乗り込み、地下駐車場に向かう。
エレベーター内で紅葉は、背の高い雲英を見上げた。
(寂しいな。
離れたくないな)
と思ってしまう。
思わず、繋いだ手を握りしめた。
「………ん?紅葉様、どうしました?」
「ううん」
首を横に振り、視線を前に移す。
(寂しいなんて、言えない……
仕事に行くだけなのに、離れたくないなんて……
情けないな、私…)
「紅葉様」
不意に、雲英に呼ばれ顔を上げる。
「━━━━━んんっ!!?」
口唇が奪われるように、重なった。