主従夫婦~僕の愛する花嫁様~
理亜は雲英の言葉を受けて、何故か涙が溢れていた。
「は?」
「あ…すみません……」
「悪いが、俺はお前の涙を拭いてやる手を持ってない」
「はい?
結構です!(笑)
…………でも、初めてわかった気がします。
なんで紅葉が、羊さんに惚れたのか」
「は?
お前にそんなこと言われても、全く嬉しくない」
「フッ…!ですよねー(笑)」
「━━━━━━二人とも、何やってるの?」
紅葉が起きてきて、若干不安そうに見つめていた。
「え?あ、紅葉様!いえ。何もありませんよ!ほら、寝ましょう?」
「…………うん」
紅葉の中に、小さなモヤモヤが棲みついた。
「━━━━━これ、羊さんに渡してくれる?」
後日、理亜から綺麗に包装された箱を渡された紅葉。
「え?どうして?
甲斐、お誕生日まだだよ?」
「うん。
お礼みたいなもんなの。
羊さんに、世話になったから」
甲斐に、世話に、なった?
「え……も、紅葉…?」
あっという間に紅葉の目が潤み出す。
「世話になったって、何!!?」
「え?紅葉…!?」
パニックになり、理亜に掴みかかる紅葉。
「何!!?何なの!!?」
「ちょっ……紅葉!!離しなさい、よ!!」
思わず、紅葉を突き飛ばす理亜。
「キャッ!!?」
ドサッと、床に倒れた。
「あ!?紅葉!?ご、ごめん!!」
慌てて、近寄る理亜。
「どうした!!?」
「え?喧嘩!?」
「理亜!
お前、紅葉に何して……つか、どうした!!?」
「あ、私が理亜に掴みかかったからなの。
私が悪いの。
ごめんね、理亜」
「ううん」
「理亜、ちょっと…いい?」
そのまま紅葉は、理亜を目立たない所へ連れていった。
そして、掴みかかるように理亜の肩を掴んだ。
「━━━━お願い!
教えて?なんで、泣いてたの?あの時」
「え?あ、それは……」
「どうして、教えてくれないの?
甲斐も、ただお話しただけってしか言わないの!」
「恥ずかしいの。でも、紅葉が心配するようなことは誓ってないよ!」
「だったら、教えてよ!
お願い!不安なの!」
「紅葉。そんな何もかも知り合うことなんてできないのよ!」
「わかってるよ……そんなこと…」
その日仕事終わりに会社を出ると、いつものように雲英が待っていた。
「紅葉様、お帰りなさいませ!」
心底嬉しそうに出迎え、紅葉の手を握る雲英。
「………」
何故だろう。
その笑顔が、とても苦しい。
「紅葉様?どうされました?」
雲英が、紅葉の頬に触れた。
“紅葉が心配するようなことは、誓ってないよ”
この言葉を信じなきゃ!
必死にそう自分に言い聞かせて、紅葉は雲英に微笑んだ。
「ううん!」
「は?」
「あ…すみません……」
「悪いが、俺はお前の涙を拭いてやる手を持ってない」
「はい?
結構です!(笑)
…………でも、初めてわかった気がします。
なんで紅葉が、羊さんに惚れたのか」
「は?
お前にそんなこと言われても、全く嬉しくない」
「フッ…!ですよねー(笑)」
「━━━━━━二人とも、何やってるの?」
紅葉が起きてきて、若干不安そうに見つめていた。
「え?あ、紅葉様!いえ。何もありませんよ!ほら、寝ましょう?」
「…………うん」
紅葉の中に、小さなモヤモヤが棲みついた。
「━━━━━これ、羊さんに渡してくれる?」
後日、理亜から綺麗に包装された箱を渡された紅葉。
「え?どうして?
甲斐、お誕生日まだだよ?」
「うん。
お礼みたいなもんなの。
羊さんに、世話になったから」
甲斐に、世話に、なった?
「え……も、紅葉…?」
あっという間に紅葉の目が潤み出す。
「世話になったって、何!!?」
「え?紅葉…!?」
パニックになり、理亜に掴みかかる紅葉。
「何!!?何なの!!?」
「ちょっ……紅葉!!離しなさい、よ!!」
思わず、紅葉を突き飛ばす理亜。
「キャッ!!?」
ドサッと、床に倒れた。
「あ!?紅葉!?ご、ごめん!!」
慌てて、近寄る理亜。
「どうした!!?」
「え?喧嘩!?」
「理亜!
お前、紅葉に何して……つか、どうした!!?」
「あ、私が理亜に掴みかかったからなの。
私が悪いの。
ごめんね、理亜」
「ううん」
「理亜、ちょっと…いい?」
そのまま紅葉は、理亜を目立たない所へ連れていった。
そして、掴みかかるように理亜の肩を掴んだ。
「━━━━お願い!
教えて?なんで、泣いてたの?あの時」
「え?あ、それは……」
「どうして、教えてくれないの?
甲斐も、ただお話しただけってしか言わないの!」
「恥ずかしいの。でも、紅葉が心配するようなことは誓ってないよ!」
「だったら、教えてよ!
お願い!不安なの!」
「紅葉。そんな何もかも知り合うことなんてできないのよ!」
「わかってるよ……そんなこと…」
その日仕事終わりに会社を出ると、いつものように雲英が待っていた。
「紅葉様、お帰りなさいませ!」
心底嬉しそうに出迎え、紅葉の手を握る雲英。
「………」
何故だろう。
その笑顔が、とても苦しい。
「紅葉様?どうされました?」
雲英が、紅葉の頬に触れた。
“紅葉が心配するようなことは、誓ってないよ”
この言葉を信じなきゃ!
必死にそう自分に言い聞かせて、紅葉は雲英に微笑んだ。
「ううん!」