主従夫婦～僕の愛する花嫁様～

｢あ…紅葉様…！？｣

｢神くんの力になりたいの｣

｢わ、わかりました…｣

｢じゃあ、雲英さん。
心配しなくても、安全に帰しますから！｣

｢当たり前だ！｣


｢━━━━では、紅葉様。
何かありましたら、すぐに駆けつけます！｣
｢うん。甲斐、気をつけてね！｣

｢はい。紅葉様も！｣

雲英の車が去っていくのを見届けて、神と駐車場に移動する。

｢神くん、電車通勤じゃなかった？｣
｢いつもはな｣

｢え？
じゃあ、今日はどうして？｣

｢紅葉を連れ去る予定だったから｣

｢え？え？連れ去る？｣

｢………｣
｢………｣

｢……フフ…冗談だっつうの！(笑)
からかっただけ(笑)｣

｢え？もう！(笑)｣

｢買いもんに付き合ってほしくてさ！
だから、バイクの方がいいかなって｣

｢え？ば、バイク！？
バイクで行くの！？｣

｢うん。
俺、車持ってねぇもん｣

｢そう…だよね……｣


｢━━━━ほれ！行くぜ！｣
ヘルメットを渡される。

ヘルメットをジッと見つめる、紅葉。
｢………｣

｢……はぁ…ったく…｣
ため息をついた神は、一度渡したヘルメットを取り紅葉にかぶせた。

｢あ…｣

｢ほら！乗って？｣

｢う、うん…｣
ゆっくり跨ぐ。

｢ん。俺に掴まって｣
｢うん｣
神の背中の服を握る。

｢………はぁ…それじゃ、死ぬぞ！！｣
そう言った神は、紅葉の両手を持ち、自分に抱きつかせた。

｢いい？このまま、抱きついてろよ！｣
そう言って、発進させた。


しばらく走って、目的地に着く。

｢━━━━━━着いたぞー｣
｢………｣

固まっている紅葉。

神はまた、ため息をつく。
｢はぁー
降ろすぞー｣
紅葉の腰を持って抱き上げ、地面に下ろした。

｢ありがとう……/////｣

｢……ったく…ガキか！！(笑)｣

｢ごめん……｣

｢フッ…ハハハーーーッ！！｣

｢そんな笑わなくても……｣

｢いや…可愛いなーって思ってさ(笑)
なーんか、紅葉って妹みたいなんだよなぁー｣

｢じゃあ、神くんはお兄様？｣

｢そ！お兄様！！
妹！行くぞ！｣

｢もう(笑)｣

頭をポンポンと撫でる神に、微笑みついていく紅葉だった。