主従夫婦~僕の愛する花嫁様~
向田とは、最近入った短期バイトの男性。
まだ大学生で、紅葉達の一つ年下の大学四年生だ。
理亜が先輩社員と、出張で地方に行っている間だけのバイト。
とても明るくて爽やかな青年だが、明らかに紅葉に好意があるのが見て分かる。
いつもならこうゆう場合、理亜が牽制して守りに入る。
しかし理亜は、出張中。
その為、紅葉を守る人間がいない。
それもあって、神が気にかけていた。
「紅葉さーん!」
「はい」
「これ!」
紅葉の手を取った向田が手の平に、飴玉を乗せた。
「え?」
「好きですよね?」
「あ、ありがとうございます!」
「敬語!必要ないですって!」
「あ、はい…じゃない。うん、ありがとう!」
「今から昼ご飯食べますよね?今日も弁当ですか?」
「え?うん」
「そっか!
昼、弁当持って、近くの公園で食べません?
俺も、弁当用意してきたんで」
「え?あ……」
(ど、どうしよう……これって、断るべきなのかな?
でもお弁当食べるだけだし、お家に誘われたわけじゃないし)
仕事中、神に言われた“警戒心”を何度も自分に言い聞かせていた紅葉。
悶々と考える。
「紅葉さん?」
「うん、いいよ!」
紅葉は、向田と近くの公園に向かうのだった。
「━━━━ほんっと、美味しそうですね!」
「あ、うん!
とっても、お料理上手なの!」
「えーと…旦那さんが、専業主夫なんですよね?」
「うん!」
「へぇー!」
「んー、美味しい!」
「フフ…旨そうに食べるんですね!」
「うん!本当に、美味しいから!」
「フフ…」
「向田くんは、恋人いるの?」
「いや、いません!」
「そっか!」
「でも、好きな人はいますよ?」
「え?そうなんだ!
素敵ね!」
「素敵かな?」
「好きな人がいることは、素敵よ!」
「片想いでも?」
「えぇ!」
「相手の人、既婚者ですよ?」
「うん、それでも素敵!
人を想うってこと自体が、素敵。
人を想うと、優しい気持ちになれるから!」
「優しいか………」
呟く向田。
「ん?向田くん?」
「あ、すみません!
あ!そうだ!
今日、仕事終わったら食事しません?」
「え?あ……」
(さすがに、ダメだよね。
警戒心!警戒心!)
「ごめんね、お食事はちょっと……」
まだ大学生で、紅葉達の一つ年下の大学四年生だ。
理亜が先輩社員と、出張で地方に行っている間だけのバイト。
とても明るくて爽やかな青年だが、明らかに紅葉に好意があるのが見て分かる。
いつもならこうゆう場合、理亜が牽制して守りに入る。
しかし理亜は、出張中。
その為、紅葉を守る人間がいない。
それもあって、神が気にかけていた。
「紅葉さーん!」
「はい」
「これ!」
紅葉の手を取った向田が手の平に、飴玉を乗せた。
「え?」
「好きですよね?」
「あ、ありがとうございます!」
「敬語!必要ないですって!」
「あ、はい…じゃない。うん、ありがとう!」
「今から昼ご飯食べますよね?今日も弁当ですか?」
「え?うん」
「そっか!
昼、弁当持って、近くの公園で食べません?
俺も、弁当用意してきたんで」
「え?あ……」
(ど、どうしよう……これって、断るべきなのかな?
でもお弁当食べるだけだし、お家に誘われたわけじゃないし)
仕事中、神に言われた“警戒心”を何度も自分に言い聞かせていた紅葉。
悶々と考える。
「紅葉さん?」
「うん、いいよ!」
紅葉は、向田と近くの公園に向かうのだった。
「━━━━ほんっと、美味しそうですね!」
「あ、うん!
とっても、お料理上手なの!」
「えーと…旦那さんが、専業主夫なんですよね?」
「うん!」
「へぇー!」
「んー、美味しい!」
「フフ…旨そうに食べるんですね!」
「うん!本当に、美味しいから!」
「フフ…」
「向田くんは、恋人いるの?」
「いや、いません!」
「そっか!」
「でも、好きな人はいますよ?」
「え?そうなんだ!
素敵ね!」
「素敵かな?」
「好きな人がいることは、素敵よ!」
「片想いでも?」
「えぇ!」
「相手の人、既婚者ですよ?」
「うん、それでも素敵!
人を想うってこと自体が、素敵。
人を想うと、優しい気持ちになれるから!」
「優しいか………」
呟く向田。
「ん?向田くん?」
「あ、すみません!
あ!そうだ!
今日、仕事終わったら食事しません?」
「え?あ……」
(さすがに、ダメだよね。
警戒心!警戒心!)
「ごめんね、お食事はちょっと……」