主従夫婦~僕の愛する花嫁様~
「紅葉様、紅葉様…紅葉様……
僕こそ、申し訳ありません!!
お守りできなくて、申し訳ありません!!」
雲英の温かさ、匂い、柔らかな声……
紅葉は涙腺が壊れてしまったように、声を上げて大泣きした。
「━━━━俺も、悪かった」
紅葉が落ち着き、三人は車に乗り込んでいた。
雲英の運転で、神の家に送っている途中。
神が、隣に座る紅葉に頭を下げた。
「え?どうして、神くんが謝るの!?」
「理亜に、頼まれてたんだ。
“私がいない間、紅葉のこと頼む”って。
俺、タカくくってた。
紅葉に“警戒心を持て”って言い聞かせたから、もう大丈夫だろうって。
向田が危ないこと察してたのに、ちゃんとお前を守れなかった。
ごめんな!」
紅葉は、首を横にブルブル振る。
「悪いのは、私なの!!
神くん、ちゃんと“警戒して”って教えてくれてたのに、私が………!!」
「違います!!!」
「「え?」」
そこに、雲英の声が響いた。
紅葉と神は、運転席の雲英を見る。
「志岐や紅葉様は、悪くない。
元はと言えば、僕が紅葉様を“そうさせるようにしたから”です!
……………紅葉様を、僕がいないと生きていけないようにしたかったから」
「は?」
「甲斐?」
「ずっと……紅葉様に必要とされたかったから。
僕に頼って、委ねて、守られてほしかったから。
だから“警戒心”なんて、紅葉様には必要なかった。
“警戒心”を持つ前に、僕が守るつもりだったから。
…………本当に……申し訳ありません…紅葉様」
「でも雲英さん、なんで?」
「は?」
「なんでそこまでして……」
「お前には……いや、誰にもわからないだろうな」
「え?」
「………………22年間、想い続ける事の意味」
「え…雲英…さん…」
「僕は、22年間紅葉様への恋心に“縛られて”生きてきた。
だからこうでもしないと、自分が保てない。
それが、どんなに縛りつける行為でも……
僕は、僕でいるために紅葉様を囲い続ける」
そして、自宅マンションに着き………
玄関を入ってすぐ、雲英は紅葉を後ろから抱き締めた。
「紅葉様…良かっ…た…本当に良かった……」
「うん」
紅葉も、後ろから回っている雲英の腕にしがみつき頷く。
「………甲斐」
ポツリと名前を呼ぶ、紅葉。
「はい」
「それでも私は、甲斐が大好き!!」
「紅葉様…」
「言ったでしょ?
甲斐がいいって!!
私は、甲斐と幸せになりたくて結婚したの!!」
雲英に向き直り、紅葉ははっきりとした口調で言った。
「私は、甲斐じゃなきゃ幸せになれない!!」
僕こそ、申し訳ありません!!
お守りできなくて、申し訳ありません!!」
雲英の温かさ、匂い、柔らかな声……
紅葉は涙腺が壊れてしまったように、声を上げて大泣きした。
「━━━━俺も、悪かった」
紅葉が落ち着き、三人は車に乗り込んでいた。
雲英の運転で、神の家に送っている途中。
神が、隣に座る紅葉に頭を下げた。
「え?どうして、神くんが謝るの!?」
「理亜に、頼まれてたんだ。
“私がいない間、紅葉のこと頼む”って。
俺、タカくくってた。
紅葉に“警戒心を持て”って言い聞かせたから、もう大丈夫だろうって。
向田が危ないこと察してたのに、ちゃんとお前を守れなかった。
ごめんな!」
紅葉は、首を横にブルブル振る。
「悪いのは、私なの!!
神くん、ちゃんと“警戒して”って教えてくれてたのに、私が………!!」
「違います!!!」
「「え?」」
そこに、雲英の声が響いた。
紅葉と神は、運転席の雲英を見る。
「志岐や紅葉様は、悪くない。
元はと言えば、僕が紅葉様を“そうさせるようにしたから”です!
……………紅葉様を、僕がいないと生きていけないようにしたかったから」
「は?」
「甲斐?」
「ずっと……紅葉様に必要とされたかったから。
僕に頼って、委ねて、守られてほしかったから。
だから“警戒心”なんて、紅葉様には必要なかった。
“警戒心”を持つ前に、僕が守るつもりだったから。
…………本当に……申し訳ありません…紅葉様」
「でも雲英さん、なんで?」
「は?」
「なんでそこまでして……」
「お前には……いや、誰にもわからないだろうな」
「え?」
「………………22年間、想い続ける事の意味」
「え…雲英…さん…」
「僕は、22年間紅葉様への恋心に“縛られて”生きてきた。
だからこうでもしないと、自分が保てない。
それが、どんなに縛りつける行為でも……
僕は、僕でいるために紅葉様を囲い続ける」
そして、自宅マンションに着き………
玄関を入ってすぐ、雲英は紅葉を後ろから抱き締めた。
「紅葉様…良かっ…た…本当に良かった……」
「うん」
紅葉も、後ろから回っている雲英の腕にしがみつき頷く。
「………甲斐」
ポツリと名前を呼ぶ、紅葉。
「はい」
「それでも私は、甲斐が大好き!!」
「紅葉様…」
「言ったでしょ?
甲斐がいいって!!
私は、甲斐と幸せになりたくて結婚したの!!」
雲英に向き直り、紅葉ははっきりとした口調で言った。
「私は、甲斐じゃなきゃ幸せになれない!!」