主従夫婦~僕の愛する花嫁様~
それから紅葉が目を覚まし、解散した五人。
神・理亜のマンションから、ゆっくり歩いて帰っている雲英と紅葉。
(徒歩圏内に越してきたから)
「━━━━フフ…まさか、理亜と神くんがこんな近くのマンションに越してくるなんてね!」
「そうですね」
「………」
「………」
「……甲斐」
「………」
「甲斐!!」
「……あ!は、はい!」
「どうしたの?」
「え?」
「ボーッとしてるよ?」
「あ、いえ…」
“紅葉はずっと前から羊さんのこと、執事としてではなく、甲斐 雲英として好きだったみたいです。
だから自分のことも、一人の女性として見てほしいって言ってました。
早く一人前になりたいって。
たまには、羊さんのために何かしたいって。
だから、家事もできるようになりたいって。
紅葉はずっと、羊さんだけを見てたんですよ?
そんな紅葉が、羊さんのこと嫌いになったりするわけないし、嫌いになれないと思います!”
理亜があの後言った言葉だ。
「ん?甲斐?」
微笑み、見上げる紅葉。
「紅葉様、僕は貴女を愛してます。
信じられないかもしれませんが、貴女が生まれた時から」
「え?/////ど、どうしたの?急に/////」
突然の雲英の告白に、顔を赤くする紅葉。
「僕は貴女を、たった一度でも“僕のご主人様として”見たことありません」
「え……それ、どうゆう…」
「最初から貴女は、僕の愛するたった一人の女性です」
「うん!ありがとう!
フフ…なんだかよくわからないけど、嬉しい!」
「それに貴女は、立派な大人の女性ですよ!」
「フフ…ありがとう!」
「…………それで、明日なんですが……」
「ん?デート、何処行く?」
「あ、いえ。
あの、紅葉様が良ければ……
一緒に家事しませんか?」
「え?」
「一緒に料理、洗濯、掃除です」
「え?え?いいの!?」
「はい。たまに、一緒にするならいいかと……」
「フフ…やった!」
「あ、でも“たまに”ですよ?」
「うん!」
紅葉は、心底嬉しそうに微笑んだ。
しかし━━━━━
料理中~
「あ!紅葉様!包丁は危ないので、僕が!!」
「あ!鍋には触らないでください!
紅葉様は、お皿を出してください!」
「はい、紅葉様!
テーブルに持っていってください!」
洗濯中~
「あ!紅葉様、洗剤は僕が入れます!
紅葉は、このボタンを押してください!」
「紅葉様。
僕が干しますので、紅葉様は洗濯物を籠から取ってください!」
掃除中~
「紅葉様、コンセントを入れてください。
僕が、掃除機かけますので!」
「あとは、モップかけなので、紅葉様は座っててください」
「紅葉様、お疲れ様でした!
紅茶を入れましたので、どうぞ?」
「………ねぇ」
「はい」
「私、何もしてないよ?」
「はい?
お皿を出してくれたし、テーブルまで持ってってくれたし、洗濯機のボタンを押してくれました。
洗濯物を取ってくれたし、コンセントも入れてくれましたよ?」
「え?」
「ほら、沢山のことをしてくれたじゃないですか!
逆に、させすぎてしまいましたね。
申し訳ありません……」
「え……?」
やっぱり雲英が過保護であることは、変わらないのだった。
神・理亜のマンションから、ゆっくり歩いて帰っている雲英と紅葉。
(徒歩圏内に越してきたから)
「━━━━フフ…まさか、理亜と神くんがこんな近くのマンションに越してくるなんてね!」
「そうですね」
「………」
「………」
「……甲斐」
「………」
「甲斐!!」
「……あ!は、はい!」
「どうしたの?」
「え?」
「ボーッとしてるよ?」
「あ、いえ…」
“紅葉はずっと前から羊さんのこと、執事としてではなく、甲斐 雲英として好きだったみたいです。
だから自分のことも、一人の女性として見てほしいって言ってました。
早く一人前になりたいって。
たまには、羊さんのために何かしたいって。
だから、家事もできるようになりたいって。
紅葉はずっと、羊さんだけを見てたんですよ?
そんな紅葉が、羊さんのこと嫌いになったりするわけないし、嫌いになれないと思います!”
理亜があの後言った言葉だ。
「ん?甲斐?」
微笑み、見上げる紅葉。
「紅葉様、僕は貴女を愛してます。
信じられないかもしれませんが、貴女が生まれた時から」
「え?/////ど、どうしたの?急に/////」
突然の雲英の告白に、顔を赤くする紅葉。
「僕は貴女を、たった一度でも“僕のご主人様として”見たことありません」
「え……それ、どうゆう…」
「最初から貴女は、僕の愛するたった一人の女性です」
「うん!ありがとう!
フフ…なんだかよくわからないけど、嬉しい!」
「それに貴女は、立派な大人の女性ですよ!」
「フフ…ありがとう!」
「…………それで、明日なんですが……」
「ん?デート、何処行く?」
「あ、いえ。
あの、紅葉様が良ければ……
一緒に家事しませんか?」
「え?」
「一緒に料理、洗濯、掃除です」
「え?え?いいの!?」
「はい。たまに、一緒にするならいいかと……」
「フフ…やった!」
「あ、でも“たまに”ですよ?」
「うん!」
紅葉は、心底嬉しそうに微笑んだ。
しかし━━━━━
料理中~
「あ!紅葉様!包丁は危ないので、僕が!!」
「あ!鍋には触らないでください!
紅葉様は、お皿を出してください!」
「はい、紅葉様!
テーブルに持っていってください!」
洗濯中~
「あ!紅葉様、洗剤は僕が入れます!
紅葉は、このボタンを押してください!」
「紅葉様。
僕が干しますので、紅葉様は洗濯物を籠から取ってください!」
掃除中~
「紅葉様、コンセントを入れてください。
僕が、掃除機かけますので!」
「あとは、モップかけなので、紅葉様は座っててください」
「紅葉様、お疲れ様でした!
紅茶を入れましたので、どうぞ?」
「………ねぇ」
「はい」
「私、何もしてないよ?」
「はい?
お皿を出してくれたし、テーブルまで持ってってくれたし、洗濯機のボタンを押してくれました。
洗濯物を取ってくれたし、コンセントも入れてくれましたよ?」
「え?」
「ほら、沢山のことをしてくれたじゃないですか!
逆に、させすぎてしまいましたね。
申し訳ありません……」
「え……?」
やっぱり雲英が過保護であることは、変わらないのだった。