主従夫婦~僕の愛する花嫁様~
「え…あ…/////」
(ヤバい…////ドキドキする////)

「亞嵐さん?」

「あ、はい!
ありがとうございます!
えーと…ほんと、お嬢様は座っててください!
電子レンジ、使い方わからないですよね?」

「え?あ…お、お恥ずかしい////
じゃあ、せめてお手伝いします!」


二人でダイニングテーブルに、セッティングする。

「「いただきます!」」

「亞嵐さん、ありがとうございます!」
「いえ!」

それからも、楽しく会話に華を咲かせる。



午後4時頃。
雲英が帰ってきた。

リビングのドアを開けようとすると、中から紅葉と亞嵐の会話が聞こえてきた。

「━━━━綺麗…/////」
テレビでハネムーンの特集が放送されていて、ウエディングドレスを見て、紅葉が目を輝かせていた。

「ですね。
…………あ、そう言えば…お嬢様達は結婚式はしないんですか?」

「え?あ、はい…」

「ウエディングドレス着たいとかなかったんですか?」

「ウエディングドレスは着たいです」

「やっぱ、そうですよね!
女性の憧れってのもあるし」

「でも………」
「え?」

「結婚式はしたくないです」
亞嵐を、真っ直ぐ見て言った紅葉。

その真っ直ぐで、綺麗で……でも悲しそうな視線に亞嵐は、何も言えなくなる。

「甲斐には、内緒にしてほしいんですが……」
そんな亞嵐に紅葉は、続けて話す。

「空神の中には、甲斐のことを受け入れていない方々がいます。
そんな方々に、甲斐を晒したくないんです」

「雲英の…ために…ですか?」

「はい」

「でも、本当はしたいんですよね?結婚式」

「甲斐を傷つけるくらいなら、しなくていいです」

「お嬢様…」

「それに甲斐は“空神”と結婚したんじゃない。
“私と”結婚したんです!
結婚式しなくても、甲斐が傍にいてくれたらそれで十分です!」

「━━━━━━!!!?
………………お嬢様」
亞嵐が視線を感じ、ふとリビングのドアを見た。

そして紅葉を見据え、微笑んだ。

「はい」

「その言葉、雲英本人に伝えないと!」

「え?」

亞嵐が、目で後ろを合図する。

紅葉が振り向くと、雲英が立っていた。
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