イノセント・ラブ・アフェア
私はこの日、洋介に笑顔を見せることができなかった。

そして

-今日は洋介とは寝ない。

そう、心に決めた。

私なりの、ささやかな抵抗。

それなのに、洋介に顎を持ち上げられて、唇の間に舌を割り入れられると、からだの奥がふるふると震えて、全身がとろけてしまう。

「洋介、やめ…」

「どうして?」

洋介は止めてくれない。

キスをしながら、優しく肩や胸をなでられる。

すると、泣きたいような、苦しいような、あったかいような気持ちになって、がむしゃらに洋介を求めたくなってしまう。

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