イノセント・ラブ・アフェア
「大学が一緒で、使ってる駅も一緒なんて、すごい偶然だね。なんだか不思議」

私が言った。そしたら洋介が、

「これはなにかの運命かもね」

と言った。

運命。

それってどういう意味?

なんだかドキドキしちゃうじゃん。

「なんで大学で会わなかったんだろう」

「いっぱいすれ違ってたかもね」

何年も前から繰り返したニアミス。

これって、特別な意味合いがあるような・・・。

「美咲ちゃん、なんで大学時代に声掛けてくれなかったんだよ」

「洋介くんこそ、どうして駅でアタシを見つけてくれなかったの?」

なんだかくすぐったい会話。

二人だけでしか共有できない会話。

まるで私たちだけの秘密の遊びみたい。

洋介はくすぐったそうに笑った。私も笑った。
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